西日本中心に広がるクエの偽装

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2010年02月28日 13:45

高級魚である「クエ」に外観が似ている「アブラボウズ」は、クエを特に貴重なものとして扱われている西日本の地域で、偽装表示事件が目立っています。

2008年3月には、大阪府の卸売業者「矢崎鮮魚店」が、アブラボウズをクエに偽装したことで、日本農林規格法に違反したとして、改善勧告を受けました。
そのほか、福岡県の料理店においても、偽装の疑いがあるとして捜査が行われています。
近年では、クエの人気が高まっていることに伴い、高値になってきています。
そのことから、クエよりも安いアブラボウズが流用されることになったのでしょう。

ただ、超高級魚と言われるクエですが、決してアブラボウズも安い魚ではなくて、高級魚として扱われています。
このことから、それ相応の高級魚を代用しているのだからと、偽装している業者は、罪の意識を感じていないことが多いようです。
しかし、1キロあたりのクエの卸売り価格は3000~1万円程度するのに対し、アブラボウズは700~1500円程度です。
また、クエを食す消費者は、淡白で深い味わいの白身を求め、アブラボウズを食す消費者は、甘みのある脂のよく乗った白身を求めているのであって、消費者のクエとアブラボウズ対するニーズは全然違うものなのです。
クエを扱っている業者などは、そのようなことを忘れないで欲しいものです。

「クエ」は、西日本以西の海底に生息するハタ科の大型魚で、体長1メートルを超える大物もいます。
高級食材として扱われており、刺し身や鍋料理などで食べられます。

一方、「アブラボウズ」は、本州中部以北の深海に生息するギンダラ科の大型魚で、体長3メートルという大物もいます。
煮つけやしゃぶしゃぶで食べられますが、脂を多量に含んでいるので、食べ過ぎると下痢などの症状を表す場合があります。

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