日本農業にとっての「餃子中毒事件」

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2009年11月16日 12:11

「餃子中毒事件」は、国内の農業や水産業の関係者にとっては、朗報だという考え方もあります。
この事件は、消費者がこれまで以上に「食の安全」について、意識し始めるきっかけとなりました。
そして、肉や魚、野菜や果物など、国産のものを積極的に選ぶという動きは、日本農業にとっては、とても喜ばしいことです。
とくに、地域でブランド化している農産物や水産物については、価格がさらに上がることになるでしょう。

しかし、地域産のブランドだけに、集中して消費者が買い求めることは考えられません。
安価で安全な品質の食材を、求める動きも出てくるでしょう。
地域産の農産物や水産物は、その地域で消費するという「地産地消」が促進されるかもしれません。
もうすでに、地元で採れた野菜などを、学校給食で積極的に使用している地域もあります。

ただ、食品対する消費者の眼は、かなり厳しくなってきています。
国産といっても、衛生管理においてはそれまで以上に追求されるでしょうし、次々に発覚する偽装事件も見て見ぬ振りできません。
そのことから、全ての農業や水産業関係者が、必ずしも朗報とは言い切れません。

また、株式会社が農業に進行してくる動きも出てくるでしょう。
低価格の中国産食品を使用できなくなったことで、「農業の株式会社化」を行なうことで、食材を自社で作り、コストの削減を図ります。
ワタミなどの外食企業、メルシャンなどの飲料メーカー、キューピーやカゴメなどの加工食品メーカーが、すでに農業に参入しています。

「餃子中毒事件」や数々の偽装事件によって、さらに「食の安全」について追求されることになり、消費者が商品を選択する眼はより厳しくなるはずです。

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